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「…あ、サイコロステーキ」
「んあ?…食いてぇのか」
「あ、の…龍樹からもらおうとしてたとこ。雫たちがきたから…」
「あー忘れてた。食っていいぜ」
「だったら俺の食え。カレー1口と交換でな」
そういってふっと笑った雫に、三蔵は龍樹からもらえと声を張り上げた。
ってゆうか、2人してかぶるとは…そんな美味しいのか、サイコロステーキ。
どうしても食べたくなって、俺は結局雫からもらうことにした。
「へー雷鳴どういうつもりなんだろうね?」
「だって、龍樹の少なくなるし、雫カレーと交換だから…」
「じゃーカレータツにもやれっ」
「…つか、俺はどっちでもいいんだけど…」
「ククッ、中津もそういってんならいいだろ。…ほら、雷鳴」
綺麗な箸使いでお肉を摘んで、雫はそれを俺の口元へ持ってきた。何気に一番大きいのをとってくれた…気がする。
俺はいいのかなと少し悩んだけど、優しそうな笑顔に促されて、パクリと食べた。
「…!」
(あぁあ゙あ食いやがったしー!)
(ふ…可愛いじゃねぇか…)
う、美味いっ!
硬そうに見えたのに凄く柔らかいし、ソースの味もいい。
思わずニコニコと笑みを浮かべて食べちゃうほど美味しくて、味わうようにゆっくり噛んだ。
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