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子供たちの手には拳銃が。
まだ8歳の子供にはそれすらも大きく、オモチャのようで。
しかし、本物だ。
数ある武器の中、彼らはこれを選び、訓練してきたのだから。
「っ、お、俺やるから…っ」
「雷鳴…」
「大丈夫、…何もしなくて、いいから」
『よーく狙え。両手でしっかり持って、頭を狙え。…おっとテメェは動くなよ、手間かけさせんな』
少年は、妹に殺しをさせたくなかった。ここの常識しかなくても分かるのだろう、殺しはいけないことだと。
震える手で拳銃を握り締め、セーフティーを外し、狙いを定める。
そして、ゆっくり、祈るようにトリガーを引いた。
――パァンッ
『がっ!…』
「う…うぅ゙、…っく」
『…ド真ん中。ククッ、いい腕してんじゃねぇか、ガキ』
少年は、吐きそうになるのを、泣きそうになるのを必死にこらえた。
あの男はもう動かない。
殺したのだ、初めて。
当時の組織で、8歳の殺しは異例の早さだった。
そしてこれから、その子供たちはやりたくもない殺しを、何回も何回も繰り返していくことになるのだ…。
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