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「いい、雷鳴。ジュエルには近づくなっていうのは当たり前だけど、特にこの男ともう1人には気をつけてほしいんだ」
「史也?」
「男に喰われてもいいなら別だけど、嫌だろ?あまり近寄ると妊娠しちゃうよ」
「え゙…俺男だ!」
「それでもしちゃうかもしれないし、変な病気移されても困るから、二度と近寄らないようにな」
ニコ、って、すげー爽やかな顔で史也が忠告してきた。
信じらんない、男でも妊娠させるなんて…よほど精力が強いんだな。
怖い怖い。
妊娠しないために、俺は向田さんから体を離した。
「ひっでーえ」
「やけどそれは事実やしね…」
「アサまでかよ!ちぇーっ、つか…あれ?シズは?」
「ああ、そういうたらいないね…また捕まっとるんやない?」
「くんなくんな、さっさと消えろクズ」
箸で追い払う三蔵。
行儀悪い。
けど、誰も注意しない上に周りからは可愛いって声があがってる。なんかここ…凄いキラキラしてるなぁ、俺居づらい。
「お、噂をすりゃ…おーいシズ!こっちこっち」
「っ…チッ、邪魔だどけ!テメェらも俺の盾になれよな、くそっ」
「えーじゃあ殴って道作りゃいいじゃん。…って、シズ?」
「?、どないした…雫?」
「っ――金、蝶…?」
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