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「おや、雷鳴くんやないの」
「あ…どうも」
「奇遇やねぇ。…オムライスとは、また可愛らしいものを…」
「…やっぱ変、か?」
「そないなことないよ。何でも美味しいから、きっとそれも美味しいんとちゃうかな」
ふふ、と綺麗に笑う旭人。
周りの温度が2℃下がった。
原因はもちろん、史也と三蔵の黒すぎるオーラのせいだ。
旭人はずっとシカトを決め込んでいたけど、そんな様子に面白そうに笑みを浮かべて、わざとらしく驚いた様子を見せた。
「おったんですか?気づかんかったわぁ」
「目ぇわりぃんじゃねぇの」
「そういう穂波は口が悪いようやねぇ」
「っ…た、龍樹…」
「俺に振るな。ムリだろこんなやつら…」
ブリザード、ビュオオオってブリザード吹き荒れてるから!
こえー!
周りを巻き込むなよぉ…と思っていれば、その空気をぶち壊すような呑気な声が聞こえてきた。
「学校で睨み合うなんてめっずらしーい。いつもはシカトこいてたのに…あれ?」
「…あ」
「君、さっきの子じゃぁん」
「…春馬、知ってるん?」
「さっきちょーっとねぇ」
ルビー、だ。
ブリザードは止んだけど、史也たちには会ったこといってなかったから、俺に向けられる視線がチクチク痛い…。
どういうことだ、っていってる。
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