19
「あはは、俺と龍樹の2人の秘密だな」
「っ…あ゙ーそうだな」
(無自覚こえー…)
「あーおっすライ、タツ!今日もねみぃなぁ」
「早く寝りゃいいのに夜遅くまでプロレスのビデオ観てるからだろ…」
「うっせぇ!かっこいいんだからいいだろっ」
ムキーッと朝から元気よく怒るのは三蔵。ほんとに眠かったんだろう。いつものように縛っただろう髪が、結構乱れていた。
ボロボロ…。
――ちょい、ちょいっ
「っ…な、なんだよライ、引っ張んなよ!」
「あ、ごめん。でも出てる。やり直す?」
「え、あ、マジ?…まぁいいや、邪魔だから縛ってるだけだし」
ふーん、やっぱ三蔵が一番男らしいな。ちょっと下から見上げてくるから可愛いけど、中身は別。
歩きながら適当にちゃっちゃと直す三蔵を見て、周りはおぉ…とかいってたけど。
◆
「……え?いやライ、今なんつった?ワンモアプリーズ」
「だから、俺、ジャージない」
「そういや…制服は用意してあったけど、ジャージってあとから渡されたよな」
「ああ、オレ忘れてた。つかもっと早く気づけよなぁ!」
「…ごめんなさい…」
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