17
「……雷鳴?」
「え?…っあ」
――トン、
「何してんだ雷鳴。前見て歩け、つか目ぇ覚ましてから歩けよな」
「うーごめん龍樹。ちょっと、目、痛くて…」
「は?大丈夫かよ、見せてみろ」
下ばかり見ていたせいでぶつかった龍樹の胸板は、結構痛かった…。
んでもって、やっぱ龍樹は結構優しい。心配、という声色でそういって、俺の頬に手をそえてきた。
…危うく流されそうになった。
「だっ、大丈夫!ちょっと鏡見てくるから…っ」
「いてぇのに見れるほど開けんのかよ。ただのゴミかもだろ」
「ちょ、ちょ…"見るなっ!"」
「…あ?なにいって…これ、コンタクトか…?」
「うわぁあ見るな、いったのに…!」
「ああ、そうだったのか悪い。つか、黒のコンタクト…?まさかこれつけたまま寝たのかよ」
はぁー…って、ため息つかれた。ぐぅ…しょうがないじゃんか、寝るまでコンタクトつけてたのなんて、昨日が初めてなんだ。
しかも色に疑問持ってる…あーどうしよう。
「…ちょっとガマンしろよ」
「うえ?…ひっ、こ、こわ、怖…!」
「暴れたら刺さるだろ!」
「っ…こ、わい…指が迫って…」
「…あ、か」
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