10
血を流して倒れる3人をよそに、慌てて雷鳴のもとへ駆け寄る。
気絶してても綺麗な顔。
このクズたちとは、私たち、そんな似てないね。よかった。
似てたら吐き気するほど自分の容姿が嫌いになりそうだもん。
「雷鳴、…雷鳴…」
「っ…」
起きないわ…ショックが大きすぎたのかもね。私のこと、とても大事にしてくれていたから。
ごめんね…でも、私も雷鳴の心を守りたかったの。
「どうしよう…」
とりあえず、ここから逃げないと。夜にあんな叫び声、誰かきちゃうかもしれないし。
ぐ、と雷鳴の腕を肩にかけて持ち上げてみたけど、足は引きずるようになっちゃった。
いくら背丈が同じくらいで雷鳴は細身で、私も訓練してるっていっても…私女の子だもん。
あーん、起きてよ雷鳴ーっ。
階段も一段ずつゆっくりおりて、裏路地を通ってもっと奥へ。
どこへいくのかなんて分かんないけど、とにかく雷鳴と落ち着ける場所、見つけなきゃ…。
ああ…このまま日本で暮らせたら、私たちきっと幸せになれるのにね…。
* * *
その殺しに、依頼主はいなかった。
男の気まぐれ。
覚えているのか、どうするのか、ただ興味があった。
そして彼の望むように、事は起こった。
兄は錯乱し、妹が冷酷に殺しをし。
これから一体どうするのか。
――さぁ…早く落ちておいで、私の堕天使。
あとがき。
プロローグでした。
一部を除き、全部中国語。
主要人物は死なないので死ネタにはしてませんが、以降、そういった殺しの表現が出てきたりするのでご注意を。
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