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「――…入ってこい」
「っ…胸ドキドキ…」
スー、ハー。
深呼吸を2回繰り返して、気合いを入れて教室のドアを開けた。
その瞬間突き刺さる視線。
スッゴい見られてる…ああヤバい、なんてゆうか、隠れたくなってきた。緊張とかじゃなくてよく分かんない意識が働いてるみたいに。
――"人目につくことはするな"
なんでか、分かんないけど。
だけどあのときからずっとそれが頭にあって、だから外に出るのは嫌だったのに…。
「あー今日?昨日?から新しく1人増えた。おい、挨拶しろ」
「あ…っ、えと」
「簡単でいいんだぜ簡単で!んな緊張すんなーっ」
「…さ、んぞー…。…ええと、李雷鳴といいます。日本のこともこの学園のこともよく分かんないこと多いですが、よろしくお願いしますっ」
三蔵が声かけてくれて、少し緊張がほぐれた。クラスのみんなに向き直って自己紹介をして、頭を下げる。
…っ、なんの反応もないんだけど…え、なんで、と思って恐る恐る顔をあげたら、みんなして俺を凝視してた。
怖いんだけど、ある意味。
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