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 しかし実際きてみると気味が悪く、この手紙も破り捨ててしまいたくなる。だがいつか証拠の1つになるかもしれない。だから、永久が預かることにした。

 そしてお昼休み、食堂にいき机についたところで、ニコニコと手を振りながら白鳥が近寄ってきた。今日は約束をしていないが、たまたま見つけたから一緒にいいか、といったところだろう。自然と席につく白鳥に永久は少し嫌そうな顔をしつつも、いきなり切り出した内容に目を見張った。



「手紙のこと、噂で聞いたよ音無くん」

「えっ、進のクラスにまでもう話いってんのか!?」

「音無くんにストーカーかも、って。大変だね…その手紙、見せてもらうこと出来る?」

「んと、永久持ってるの」

「…破ったりしないでね」



 ニコニコと相変わらずの笑顔で見せてくれと訴えられ、永久はずっとポケットに入れておいたそれを白鳥に渡した。白鳥はそれを確認し、うーん、と悩む素振りを見せる。そして。



「…仲がいい人が犯人って可能性もあると思うな。音無くん、誰と仲がいい?」

「えっとね、永久と望!」

「あはは、他の人のことなんだけど…」

「いっぱいいるよ!火焔たちも翼先輩たちも仲良しだしねっ、小雨とー、基也とー、夏樹ちゃんとー、朝ちゃんとー、玲一とー、成田さんとー、せっちゃんとー、弘人先輩!」

「さすが音無くん、たくさんいるね」



 にんまり、といった方がしっくりくるような深い笑み。その笑顔はなぜか恐怖を感じさせ、全は無意識のうちに身を引いた。そもそも、その仲のいい人を聞き出してどうするというのか。これから強くいえる人はいないし、何よりもこの面子。



「ストーカーしそうな人いなさそうだけどな、全の周りって」

「そうだね。下世話な点でいけば寮長が怪しいけど、ストーカーとかする人じゃないだろうし…」

「おいおい永久…、っと、げぇっ!」

「なーんやその反応。ちゅーかワイがなんやてー?と・わ・チャン」

「っ、い、いきなり抱きつかないで下さい!」

(こういうとこがもう…っ!)



 後ろからぎゅ、と抱き締められた永久は心底嫌そうな顔を浮かべ、身を捩らせた。弘人はすぐに離れて傷ついたような顔をするが、すぐ全に抱きつきなおし、嫌がらない全にニマニマと笑みを浮かべた。そして、ふと目についた手紙を手にとり、眉を寄せる。


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