9 こういった場で仕切るのは、まだ2年の、だがNo.3に位置する聖也の役目。各クラスの代表として集まった彼らに、今までもしてきた注意を改めて口にする。だが今回は、GだけでなくHも対象だ。成功した、といえる学園祭にするには、GとしてはHとBの喧嘩も避けたいのだから。 「ほーら、火焔からも一言いっちゃって!」 「…テメェら、俺の顔に泥塗ることだけはすんじゃねぇぞ…」 『『っ…』』 「それからこれは勝負事だ。負けは認めねぇ。あのクソメガネ共に吠え面かかせてやれ!」 『『うおおおおっ!!』』 声が、うなり声があがる。高まる志気。それに満足げに口角をあげる火焔。狙うは優勝ただ1つ。彼らはそれをボスに捧げるべく、今から全力で学園祭に取り組むことになる。 「チッ、一々めんどくせぇ」 「まーボスからの言葉がいっちゃん届くっつーか響くしぃ?」 「お疲れ様でした。今日の集会は以上で終わりです」 「…帰っぞ」 「はぁーいっ」 同時刻、Hの寮、食堂内。そこにはHの生徒全員が集まっていた。皆エレベーターの方を向き、今か今かと待ち遠しそうにしている。やがてそのエレベーターは動き出し、チン、と音を鳴らして食堂へついた。 ――ウィィン、 『『キャーッ、リーダー!』』』 『今日も素敵ッス!』 『『雷火チャーンッ』』 『流歌様かっこいいっ』 『堀様ーっ』 湧き上がる歓声。1人は笑顔を絶やさず、1人は眉間にシワを寄せ。1人は手を振りそれに応え、1人は見向きもしない。その見向きもしなかった男、堀は予め用意しておいた台座へあがり、「静かに」と静止の声をかけた。 「今から緊急集会を行う。昼間伝達した通り全員きているか?いないものには後ほどしっかり伝えろ。知らなかったは言い訳にならないからな!」 よく通る、大きな張りのある声。いいか、とかけた問いには全員が声を揃えて「はいっ」と返事をした。それを見届け、堀はリーダー…翼へバトンタッチをする。 「本日集まってもらったのは他でもありません。もうじき学園祭です、そのことについてGの肥後から注意を受けました。 学園祭において、GだけでなくBへの喧嘩、及び妨害行為をした者には、我々の意志関係なくGから処罰が下ります」 [*前へ][次へ#] [戻る] |