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ケラケラと弘人は笑い飛ばし、自分の部屋に一旦消えていく。3人は寮長室のソファーに腰掛けて弘人が帰ってくるのを待った。そして数分して戻ってきた弘人が持ってきたのは、まさに日本茶。そしておせんべいと、なかなか渋いチョイスである。
それを3人に勧め、弘人は頼りがいのありそうな目で話を促した。
「あーっと、…永久ぁ…」
「はぁ…実は全のことで相談があるんですけど。全、この通りまだ無関心を貫いてまして、GW中どうするかハッキリしてないんです」
「ほうほう」
「多分ずっとここにいるとは思うんですが、僕たちは実家へ帰ることになっていて、その間全が1人になってしまうことが心配で…」
「もう高校生やろ、1人やアカンのか?」
「…しっかり生活していけるだけの行動力とかあればいいんですけど、この状態ですし…」
そういって3人の真ん中にいる全をチラッと一瞥すれば、ポヤーっと座ったまま特に動く気配を見せなかった。3食しっかり食べて、お風呂にも入って、1人で寝て起きて。それが出来るのならいいのだが、全はそうじゃない。特に本を読んでいるときなど、放っておけばご飯を抜いたまま過ごしてしまうだろう。
2人はそれが心配なのだ。せめて、ご飯のときだけでも面倒を見てくれる人はいないのか、と。
「そういうことか…」
「はい。どなたかこう…安全な人で残る人とかいませんか?」
「全に変なことされちゃ意味ないしなー…あぢっ」
「やったら、ワイが面倒見たろか?」
「「…えっ!?」」
「いや、ワイもここ残るし…2人も知っとる人の方がエエわけやろ?」
な?と聞いてくる弘人に永久と望は顔を見合わせ、嬉しそうに笑みを浮かべた。若干変態チックなところはあるものの、寮長を任せられるほど頼れる先輩ということは2人もよく知っている。何より知り合いが全の面倒を見てくれるなら一安心だ。
ぜひお願いします、と2人は声を揃えて弘人へ頭を下げた。
「ま、全チャンと交流深めるエエ機会やしなぁ?」
「…あの、お願いしといてあれなんですけど、全に手は出さないで下さいね」
「わぁっとるって。いつから見ればエエん?」
「あーオレは2日までいるんで、3日から7日までお願いしていいッスか?」
「ご飯のときだけで十分ですので」
「よっしゃ、引き受けたる!よろしゅうなー全チャン」
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