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「火焔とか翼先輩もそうなのかな?」
「え?」
「ああ、トップの交代か?」
「うん。えと、受験でしょ?」
「そう…だね、するんじゃないかな?気にしたことなかったけど…」
これからは役員として気にしなきゃいけないのか、と少しだけ憂鬱になる永久に、全は笑顔で、今度聞いてみるね!と答えた。永久も気になっている、と捉えたらしい全になんともいえない引きつった笑みを浮かべつつ、ようやくついた教室で、永久は歓迎モードのクラスメートに出迎えられるのであった。
◆
その日の放課後から、永久は早速役員として仕事をすることになった。全といる時間が減るのはお互いに寂しかったが、やると決めたからには最後までキチンとやり抜くつもりだ。全たちと別れ、永久は生徒会室までやってきた。
朝は六条とシエルが引き継ぎを受け、放課後は雪見と永久が引き継ぎを受ける。永久に引き継いでくれるのは六条で、永久はオドオドする姿に少しだけ不安げな顔を浮かべた。
「永久ちゃんの場合は前任者がいるからまだいいよぉ。ウチなんて一週間で全部だよっ!?」
「ぁ…もうその先は来られないんですか?」
「ああ、そのつもりだ。まぁもっとも、玲一はもうこないだろうが…」
「副会長の引き継ぎは…?」
「それも俺がしている」
まったく、と溜め息をつく陽介に同情するが、引き継ぎを受ける六条にとってはそれがベストだったんじゃないだろうか?玲一に教わる六条…怒鳴り声しか想像がつかないというものだ。
しばらく引き継ぎを受け、休憩をすることになったとき、永久の部屋の移動のことが話題にあがった。
「部屋空いてるし、もう引っ越しちゃう?」
「引っ越し…しないといけないんですよね」
「優雅に暮らせるネ。ミーたちは特別ネ」
「その…もし引っ越したとして、全、1人になりますよね?どうなりますか…?」
「ああ音無か。そうだな…」
生徒会役員は、基本最上階にある広い1人部屋へ移動することになる。永久も例外ではなく、引っ越しを免れることは無理だろう。そうなると、同室の全はどうなるのか。1人部屋に移動よりも全が1人になることの方が心配だ。
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