25 聡介はエレベーターに向かってさっさと歩き出した。隆也はニヤニヤしながらそのあとをピッタリと追っていく。 「マジ、聡介って面白いのな」 「……」 「あの総長に天パとか…ぶくく。つえーし、いい声してたし?」 「う、うっさい!」 「はははっ!エッチしたくなったら俺が抱いてやるよーん」 ケラケラと笑い、聡介に追いついて肩を組んでくる隆也。康也にイタズラされたときの様子が隆也のOKゾーンに入ったらしく、ペロッと耳を舐めてきた。 舌についたピアスがふちをなぞり、聡介は体を震わしながら距離をとる。 「おおお、俺に触んな下半身野郎っ」 「ええーそれひどくねー?」 「知るかっ、お前にピッタリの言葉だろうがっ」 「いやいや、俺最近控えてんだぜ?聡介にいわれちったしね、自分のこと大切にしろって」 「っ…俺はっ、…俺がいったからって守る必要なんかねーじゃんっ」 バカじゃねーの!そういって聡介は足早に寮へと帰っていった。 「なーんか…違和感あんだよなぁ聡介って」 容姿も今時にしてはおかしいが、そういうことではなくて。いっていることと、そのときの様子などがどうにも違和感が残り、気になってしまう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |