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 だがそれは喜びを感じるどころか、とても切なくなるもので。とにかく落ち着かせようと康也は聡介の髪や背中を撫でた。



「ねぇ聡介くん、聡介くんにそのつもりがなくてもね、僕らは君にとても救われたんだよ」


「っ…」


「だから、次は僕たちが君を助けたい。…何があったか、話してくれないかなぁ?」


「受け止める覚悟はバッチリだぜ」


「言え、聡介。俺らに全てを吐き出せ」



 直接耳へ送り込まれたその言葉は、とても心強く聡介を奮い立たせた。しゃがみ込んで康也に抱きついたまま、聡介は恐る恐る口にした。

 なぜこんなにも人に好かれるのを嫌がるのか。それは…。



「……俺に関わると…みんな、不幸な目に合うんだ」


「不幸?」


「始まりは、きっと沙耶だ。妹は…生まれつき体が弱くて、生まれてきてすぐ病気にかかって…」



 聡介は、小さな声で話し始めた。康也に甘えるように抱きつきながら、悲しさを堪えるように。

 妹・沙耶は、生まれつき体が弱かった。聡介の3つ下。当時のことはよく覚えていないが、小学生のときに聞いて、幼いながらに自分のせいだとショックを受けたのを覚えている。



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あきゅろす。
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