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 あれから、さらに聡介への風当たりは弱まった。罵声を浴びることもなく、ほんとに極一部の人間に嫌われているだけの、ただの高校生のよう。

 聡介は焦っていた。これでは今までの繰り返しでしかない、と。


(ここは一発ビシッと嫌がらせしとくか…)


 鏡の前で紫の髪を黒いカツラの中にしまいながら、頭の中でプランをたてる。そのどれもが子供じみたものばかりなのだが、聡介が考えているのだから仕方ないだろう。

 よし、と気合いを入れて学校へ向かう聡介。…洗面所の床に落ちたヘアピンには、気づかなかったようだ…。







・聡介嫌われ作戦その1
 朝登校のついでに草をむしり取って、隆也の靴箱の中に入れてみた。



「おっはー!…あ、聡介おはっ」


「……」


「そーそー聞いてよ、今日俺の靴箱ん中草だらけだったんだけどウケる!」


「はっ、俺からのプレゼントだ。ありがたく受け取れっ」


「…マジ?えーじゃあ今度は花とか入れてよー」


(…き、効いてないのか…!)



 というより、草が入っていたといってもこんもりではなく、靴の上にちょこんと乗っていただけ。もしかしたら…と隆也は思っていたので、その予想が当たりなんだか嬉しそうだ。


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