3 そういって、サワッと撫でる希のお尻。ぴゃ、なんて声をあげて希は飛び跳ね、慌てて聡介の後ろに隠れてプルプルと隆也を後ろから覗き見た。 小動物…子犬のよう。でも聡介はこの子犬が邪魔で仕方なかった。 「触るな」 「えーっ、先輩冷たいです…」 「暖かかった覚えもねぇよ。大体、…そんなんだから前みたいなことが起きんだろ」 「え…?」 「ちょ、聡介まさかアレいうつもりじゃ…」 「アレ…アレって、何ですか…?」 先日、野分から聞いたアレ。それを聞いて聡介は「バカみてぇ」と思ったのだ。だって、 「お前を襲ったやつ、親衛隊の副隊長だったらしいな。ははっ、親衛隊にまで襲われて可哀想なやつ。せいぜマワされないように気をつけてみたらどうだ?」 ――ま、あんな様子じゃムリだろうけどな 「っ…え…ぼ、くの…?」 「…親衛隊の顔も知らねーのかよ。あーあーバカみてぇ、さっさと帰れよチビ」 「っ…う、うわぁあんっ!」 「うわー…なーかせたー」 言い方がキツかったのか、その事実にショックを受けたのか。はたまた両方かもしれない。希は大きな瞳から涙の粒を零し、泣いて教室から出て行った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |