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「……いってき、ます」


「気をつけてね、野分。聡介くんも」


「テメェに心配なんかされたくねーよっ!はっ、親衛隊に捕まってもみくちゃにされろバーカッ」



 バーカバーカ。そう主に康也に向かっていいながら、聡介も逃げていった。とはいってもこの2・3年でさえ敵になる始末。出た途端襲いかかってきた彼らをヒョイッと避け、聡介はとにかく逃げた。

 それがまた速く、皆唖然と見送るしかない。


(この俺が捕まるかっつーの!)


 むしろこの鬼ごっこを、いいストレス発散の場にしようと考えているのだ。暴力を振るえばストレスは減るだろうし、そのことで嫌われ、訴えてくれれば補佐も辞められる。一石三鳥、なんて考えていた…。







『捕まえろぉおお!』


「……あ?…オタク…」



 先ほどまでしつこく追いかけてきていた親衛隊をまき、のんびり歩いていた康也の耳に入ってきたその声。自分にか?と振り返ってみれば、そこには聡介とそれを追いかけている多数の生徒が。

 これは面白い。康也はニヤリと笑い、こっそり隠れながらあとをつけた。



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