5 「何がいいかなー…」 「去年と同じでいいだろ」 「……つまら、ない」 「ああ゙?珍しく喋ったと思ったら否定かよ。なら俺以上の考えを出してみやがれ」 「………」 「やーでも、俺も動き回りてぇなぁ。最近紫煙がいなくて外いくことも減ったしさ」 「まぁな、体力はありあまってる」 もっとも、俺に限界なんてないが。そう高らかに発言する康也に、聡介は心の中で大いにバカにした。 だが紫煙の名が出たときは思わず反応をしてしまい、周りにバレてないか実はとっても気になっていたりする。 「じゃあ、走り回っちゃう?」 「……あ?」 「鬼ごっことか、マラソンとか…」 「はっ、ガキくせ「いいじゃねぇか、鬼ごっこ」…はあ!?」 「んだオタク、走れねぇってか?いかにも鈍そうだもんなぁ」 クククッ、とバカにしたように笑う康也。結構ウザイが聡介はそこは耐え、どうでもいいというような態度をとった。だが運動神経がいいことは隆也が知っているため、訂正する。 「ほぉ…んじゃ、決まりだな。1年が鬼で、あとは逃げる方。俺らも逃げるが、捕まった場合はサインか何かでいいだろ。褒美をくれてやる条件付きで」 [*前へ][次へ#] [戻る] |