24 極の、人当たりのよさそうな物静かな態度に、普通に接してしまうところだった。 「ううん、嬉しいなーと思って。ええとそれから、こっちが隆也の。隆也は気分屋だから、コーヒーのときは何杯かっていってくるからね」 「うざ、一つに決めやがれっつーの」 「紅茶のときもあるよ。僕は大体紅茶だし…あ、ストレートね。コーヒーのときは砂糖とミルク一杯ずつ入れるけど。で、こっちが野分の。基本は緑茶。コーヒーはブラック。紅茶は好んでは飲まない」 「めんっどくさ!」 「慣れるとそうでもないんだけどね。また聡介くんもコップ持ってきなよ、ここ自由に使っていいし…じゃあ入れてみよっか」 まずはコーヒーね、といってやりかたまで丁寧に教えようとしてくる極だが、聡介はそれを止めた。やり方ぐらい分かるし、何より極がいては "美味しく" なってしまう。 心配そうにする極を怒鳴ることで追い出し、聡介はニヤリと笑みを浮かべた。 「……初日だし、少し様子見るか」 そういってコーヒーをインスタントにし、さらに薄く作る。康也と野分はそれで、隆也と極には砂糖とミルクを一杯ずつ入れた。 ちなみに自分のも作って飲んでみた。マズかった…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |