23 その髪むしり取ってハゲにしてやろうか…と康也が低い声を出すも、聡介にとってはなんのその。ツーンとした態度でシカトし、足を組んだままソファーでのんびりとしだした。 そんな聡介に、康也が命令を下す。 「おい、コーヒー、入れてこい」 「はあ?自分でいれやがれ」 「お前がいれるのが仕事だ。いけ」 「…チッ、ああいいぜ」 「あ、じゃあ初めは僕が教えるねっ」 給仕室はこっちだよ、と嬉しそうに聡介を案内する極。聡介は嫌々それについていき、立派な給仕室に本気で顔をしかめた。 たかが生徒のためにこんなもんいるのか…と。 「えーっとまずは、これが康也のコップね。コーヒーは豆から挽いたブラックのみ。熱くないと不機嫌になるから気をつけて」 「は?じゃあ自分でいれろよ」 「ほんとだよね、でも絶対にしないんだよ。俺様だから」 「……んなこといっていいのかよ。俺いうかもだぜ?」 「いいよ。聡介くんには本音で接していきたいし、康也も分かってるだろうし…ふふっ」 「ん、だよ」 急にクスクスと笑い出した極に驚きつつも、聡介は冷静を装いながら極を睨みつける。 [*前へ][次へ#] [戻る] |