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ハシゴを登り、枕を手にとってカバーをかける。そして元に戻そうとして…あるものに気づき、手を止めた。
「なんだこれ。…伊織ーなんか本があったんだけどお前の?」
「えー?…えっ?嘘、ちょ、僕の僕の!そのまま放り投げていいからすぐ手を離し…っ」
「何いってんだよ、本が傷つくだろ?つか何のほ…ん…?」
「み、見てはイケナイイイイイ!!」
「ギャアアアアッなんじゃこりゃあああっ」
何も身にまとわずねっとりと絡み合う…男と男。明らかに感じてる顔と白いナニか、ニヤリとヤらしい笑みを浮かべて覆い被さる男。【お前は俺から逃げれない―監禁編―】…。
…しばらく、その部屋に2人の悲鳴がこだました。
◆
「……腐男子、ッスか」
「ソウデスワタシハフダンシデス」
「いや、まぁ人の趣味にケチつける気はないけど…そういや腐女子ってよく聞くもんなぁ」
「……その男版、ね」
「ははは…え、俺を話の主役にしようとしたわけ?男×男の話の?」
「ゔ…」
(そこは否定してくれっ)
伊織は、男同士の恋愛を見たりするのが好きな、腐男子という人種だった。
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