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騒ぎの中に聞こえてきた、その一声。それに何よりも反応したのは、他でもない理央だった。だがその元を見つける前に伊織を悪くいう人は増えていき、以前の理央のように伊織だけが殺意や妬みを向けられてしまった。
「なんだよ…今までだってずっと一緒にいたじゃねーか!」
「まぁ平凡だからねぇ」
『…あの、俺らのことは…』
「っ…んな認められたいんだったらこれ止めろよ!俺はこんなの望んでないっ、今まで通り恨まれてた方がマシだっ」
「「理央…」」
俺のいうこと聞くんだろ!?俺に頼られたいんだろ!?そう叫ぶ理央に、誰もが同情の眼差しを向けた。大河たちは『ムリだ』というものを、他の生徒は『脅されているのか』と…。
だが親衛隊隊長予定の男が一言いったことで、食堂は静かになった。
『理央様が望んでるんだ、友人の陰口はやめろ!』
「っ…はは、理央様、ね。前のままだったらいうことも聞かなかったくせに…!」
『え、あ、あの…親衛隊は…』
「そんなもの俺はいらない。でも認められないからって影で過激派として動くなら、俺が潰してやる」
「理央…ありがとな。でも僕は大丈夫だからさ、理央は自分のこと気にかけてなよ」
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