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「…?何してんだ理央」

「えっ?…あ、別になんでもない!」

「胸騒ぎがするみたいだなぁ…ウチが揉んで解消したろうか?」

「ひぇっ!?」

「巡、テメェ…」

「ははっ、冗談だよ冗談っ」


 …の割には、ワキワキとイヤラシイ手つきで理央に近づいていたのだが。そこからはカオスだった。理央は顔を赤くして胸を手で交差して隠し周りを煽るし、巡と克己は欲に忠実になろうとして大河に怒られるし。

 けれどこんな、楽しい時間がずっと続けばいいのに…理央はそう、心から思った。







「でさっ、そんときの大河ほどウザいやつはいないのなんの!」

「…ふふっ」

「…?母さん?」

「あ、もーお、ママでしょ?いえね、あなたよほど…その伊織って子と大河って子が好きなのね」

「はぁあ?そりゃ伊織は好きだけど…た、大河はないって!」

「そうかしら?その2人の話しかほとんど聞かなかったわよ、この夏休み」


 クスクスと笑う理央の母親。父親と陸が先に日本をたち、お盆まではと残っていた母親も、いよいよ明日向こうへいくことになった最後の晩。学校の話を聞かして、という母親に理央はずっと色んな話をしていたのだ。

 けれど理央の口から出てくるのは親友になったという伊織と、大嫌いでウザいやつと口先だけは悪くいう大河のことだけ。よほど好きなのだろう、と母親は笑顔でそういったのだ。理央が慌てるのもムリはない。


「…母さんの考え間違いだろ…」

「マーマ。…ふふ、まぁそういうことにしておくわ。他は?どんなことがあったの?」

「え?あーそうだなぁ…」


 こうして暑い一夜は明け、理央も学園へと戻っていくのだ…。



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