報告
スル…ッと頬を撫でられ、理央は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。そんな理央の様子に巡や桐兎がニヤニヤしていると、律が急に立ち上がり、理央を呼ぶ。
「え、ここじゃ話せないのか?」
「そうだ、何をいうつもりでいる」
「ふふ、なんでもいいでしょう?理央、聞いてくれるよね」
「ん…いいけど…」
(急にどうしたんだ…?)
あんなに盛り上がっていたのに。と小首を傾げながら律のあとを追う理央。大河たちとは真逆の場所へ移り、律はクルッと振り向いた。
何か、伝えようとしている。それも大切なことを。雰囲気からそう読み取った理央は顔を引き締め、律を見上げて大人しく言葉を待った。
「……理央のこと、好き、だよ」
「え…って、なにいってんだ律。律が好きなのって俺じゃなくて伊織だろ?」
「あ、気づいてたんだ」
「気づくって!ったく…冗談いうためにこんなとこ呼んだのかよ」
「ううん…そうじゃなくて。まぁ理央のことは親愛として好きなんだけど、なんていうか…晴れて両想いになりました?」
「へー…、ん?」
ハレテリョウオモイ。両、想い…イコール、付き合うことになった。誰が。律と…理央?いや、伊織、と?
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