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分厚いパンフレットを渡されながら、理央はこの学園のあの説明を受けることになる。
『うちの学園は中等部から全寮制の男子校になる。そのことは知っているね?』
「あーうん、有名だし」
『…そのせいで、思春期も男だけの中で過ごすことになるんだ。外へ出るにも手続きが面倒で、彼らの欲のはけ口や好きという感情は…同じ男へ向くことになる。つまり、同性愛者が多いんだ』
「……え?」
『引かないでやってほしい。中には真剣に男同士で恋愛をしてる子たちもいるんだ。外から見れば異常だろうが、ここの中ではそれが普通なんだよ』
「ぁ…あ、うん…そう…まぁ俺に関係なければ…」
人の恋は自由だし?と答えながら首を傾げる理央に、理事長は一瞬ホッとした顔を見せた。だがこの話、理央に関係ないわけではないのだ。
『管理をしている者として申し訳がたたないのだが…中には、合意でない行為も繰り返されているんだ』
「…と、いうと…?」
『リンチならまだいいが、強姦…だね。見た目のいい子は狙われやすいんだ。だからその変装、とらないようにねっ!?…あっ、俺は可愛くないとかそういうのはいいからね、理央ちゃんは母親似ってことを自覚してさえくれれば一応は…』
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