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山之内学園と副会長

「……さて、お…僕はどうしたらいいのでしょう」


 タクシーに乗って移動すること1時間。家とは反対側の本土の端にやってきた理央は、とある島へと続く橋の前で立ち往生していた。

 山之内学園はお坊ちゃま校ということもあり、外部からのお客は厳重にチェックされるのだ。もちろん生徒でもしかり。学生証がなければ入ることが出来ず、色々と厄介な目に合うのを在校生は知っている。

 いや、生徒のみでなくその地域、県の住民なら周知の事実だ。


「とりあえず…スイマセン」

『はい、山之内学園の生徒ですか?学生証の提示をお願いします』

「あ…えっと、お、僕今日から編入します堤理央といいます。学生証はまだもってないんですけど…」

『編入生…ああ伺っております。しばらくすれば迎えが来ると思いますので、少々お待ち下さい』

「は、はい」


 ホッ、と息を吐く理央。内心不審者として通報されるのでは、と思っていたのだ。というか、警備員もそういう目をしていた。仕方ないだろう、ボサボサのカツラに瓶底メガネ。どう見ても行き過ぎたオタクなのだから。



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