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 しかもやはり、体格差なのか大河の引く力は強く、理央は足を踏ん張りながらも確実に引っ張られていった。


「いーやーだーぁっ!」

「はははっ!ますますおもしれぇっ。他の奴らはみんな尻尾振ってついてくんのによぉ」

「俺はそんな尻軽じゃないっ!」

「クク、嫌でもそのうち尻も尻尾も振るようになるさ。…おい、コイツ連れてくが、文句ねぇよなぁ?」

「えっ?…あ、僕ですか?」


 理央に向けていた無邪気そうな顔から一変、睨みつけるようにして伊織を見下ろす大河。その間も理央は掴まれた腕を離そうと、ペシペシ叩いたり腕を大きく振ったりしている。

 子猫の小さな反撃のようで可愛らしい…が、それをぶち壊すのが、やはり伊織の特徴らしい。


「どっ…どーぞどーぞどーぞ!えぇえぇもう連れてっちゃって下さい遠慮なくっ」

「…そ、そうか…」

「はい!理央っ、いってらっさい!んでもって帰ってきて報告ヨロッ」

「っ…裏切り者に誰がするかバーカッ」

「ふん、同室の許可も出たしいくか。大人しくついてこいよ」


(い、伊織のやつぅう!)

(ハァハァなにこれオイシスギでしょ!)



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あきゅろす。
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