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危険な保健室

(…そういえば、初めてだな…)


 1階だからいけば分かるとしっかり案内されたこともなく、また編入してきてそんな日数も経っていない。こんなことでいかなきゃいけなくなるなんて…と、理央は少しだけ落ち込んだ。


――コンコン

「失礼しまーす…」

「はいはいどうぞ。サボリかな?それとも具合悪いのかな?」

「えっ、…えっと…ケガ?」

「ケガ?それは大変だ。こっちおいで…って、おや君は…」

「うわ美人…っ…あ、いやっ」

「ふふ、ありがとう」


 少し垂れた目を細め、ふふっと優雅に笑うその人。長い黒髪は一つに縛っていて、妙な色気を放っている和風美人な先生だ。男なのだろう。それが分かっていても思わず理央は見惚れてしまった。


(でも律先輩の方が綺麗だな、うん)


「私はここの養護教諭をしている岡田です。みんなにはオカちゃん、なんて呼ばれてるんだ。君も気軽に呼んでね」

「あっ、お…僕は堤理央です。これからよろしくお願いしますっ」

「ほんとはよろしくしない方が養護教諭としては嬉しいんだけど…私個人としては、よろしくしたいな」

「…へ?…あ、そうですよね!ははっ」



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