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(え、じゃあ保のはみんな爽やかで、克己のはみんな無口なのか…!?)
「…くっ、…ふっ」
『な、何笑ってんだよ!』
「や、すいませ…ははっ、無口な隊って…!」
『っ…僕が話してるってのに生意気な…!なんでここに連れてこられたか分かってないだろ!』
「そういえば…忠告ですか?」
コテン、と首を傾げる姿は、可愛らしいと彼らに思わせるよりも、その怒りを煽ったにすぎない。嫌悪を露わにして理央を冷たい目で睨み、拓海は『そんなわけないでしょ…』と低く呟いた。
おーこえーと、後ろに立つやたらデカい男たちがはやし立てる。
『僕たちはもう忠告はしてた。でも、どれもきかなかったみたいだしね…』
「…?もしかして…下駄箱とか、机のことですか?」
『そうに決まってんだろ!でも聞かない上にあの平凡と一緒に笑ったりして…だからね、もういいんだ』
「もう、いい」
『"忠告" は終わり。"制裁" に、入る』
あの幼稚なイジメは忠告だったらしい。理央はあれはもう制裁の初級だろうと眉をひそめるが、長い前髪とメガネでそれは彼らに伝わることはなかった。
『やーっと俺らの出番か!』
『気の済むまでやっていいんだろ?』
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