4 「俺んなやいなー…桐ー電話鳴っとるでぇ」 っておらんわ!など1人ノリツッコミをしている間も鳴り響く携帯に、椿は怪訝そうにディスプレイを覗き込んだ。そこには、菖蒲の名前が。 ――ピッ 「ハッロー椿くんでっす!桐は今おりまへんので伝言を…」 『っ、何ふざけたこといってるんですか!桐先輩いないんですかっ?』 「……どないしたん?」 『紅葉が、紅葉が職員室から帰ってこなくて…今、クラスのみんなに探しに出てもらったとこなんです!』 「は?どういう…っ、事情はあとや。俺も探すから、何かあったら電話しぃ!」 (っ…親衛隊…今回はホンマ危ないで…っ) 以前襲われたのは、学園祭の前だった。あれからランク入りし、生徒会補佐になって少しは安心していたのだ。補佐といえど、生徒会なのだから。でも親衛隊が動いたということは、退学を覚悟し、紅葉を傷つけようとしていることもありうる。 椿は自分と桐の携帯を持ち、生徒会室を飛び出した。まずは桐を探さなければいけない…が、近くのトイレにはいないではないか。 [*前へ][次へ#] [戻る] |