2 そう、仮装。今回はそれが許されているため、各クラスが曲に合わせたりと思い思いの仮装をしているのだ。ステージから見るそれは、圧巻である。 「おいテメェら、サボってんじゃねぇ」 「…!っ、ぁっ」 「一番サボってる先輩にいわれたくないんですけど…ね、紅葉?」 「(コクコクッ)」 「チッ、俺様はそこにいるだけで十分なんだよ。時間までねぇ、早くしろ」 (むぅ、手伝ってくれればええんに…) 紅葉たちはステージの脇から少ーし覗いていただけ。それをずっとイスに座って足組みをしている桐に指摘され、2人はムスッとしたまま準備を再開した。 そのとき軽くベーッと紅葉が舌を出したが、それは桐しか知らない事実であり、桐は鼻を鳴らすことで受け流してしまったが。 ――ガガッ 「マイクテストマイクテスト、みんなぁ聞こえてるー?」 『『っ、おおおー!』』 「はーい。後少しだから、なるべくクラスごとまとまって待っててねーっ」 あと少し。それが生徒をさらに刺激し、体育館の中はより騒がしくなった。そんな様子に三葉はしてやったりな顔をし、着実に準備を進めていく。 [*前へ][次へ#] [戻る] |