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(チッ、俺様はこいつのこと…)


 どう思ってるのかなんて、気づかないわけがない。けれど他人にはいわれたくなくてそれを遮り、最後の忠告をして桐は紅葉を連れて寮へと向かった。

 残されたのは泣き喚く箕禍と、それを涙を溢れさせながら慰めるもう1人の子。そして男が3人。俺様何様長谷川様な彼がここまで怒りを露わにした、それは退学を意味している。もう、あとはない。


『…くそ、寄りによって会長がくるとか…』

『ああ、いくら責任とるっつっても、俺たちだって無事じゃ済まねぇよな』

『どうせなら…な』

『ぇ…や、やぁああ!』


 その悲鳴は桐にも届いていたが、彼の心を動かすものにはならなかった…。







 桐がようやく紅葉を見つけたころ、椿たちは森の中の捜索に入っていた。先ほど校舎裏で紅葉の携帯を見つけたが本人はどこにもおらず、森の中を探していこうということになったのだ。

 だが探している最中に何かあっては困るため、クラスメートは教室に帰し、椿と菖蒲、一葉と三葉と蓮見の二手に分かれて学校から寮に向けて探していた。



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