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「今までテメェらを放置した俺様にも非があることは認めてやる。だがな、俺様のお気に入りに手ぇ出したことだけは、ぜってぇ許さねぇからな…」
『どっ、して…ハァ、そこまで…っ』
「……媚びを売らなかったからだ。テメェら低能と違ってな」
蔑むような笑いは、箕禍たちの心に冷水を浴びせた。キタナイ、そういわれているようで、自然と体が震えだす。だがそれは事実だろう。桐のお気に入りになるために、むやみやたらに近づく者には容赦なく制裁をし、協力が欲しいときには自分の体を売った。
それでいいと思っていた。たとえセフレの1人だとしても、彼が抱くときだけは自分を見て触れてくれるから。でもそれは、間違いだった?
「俺様だって始めはどうでもよかった。…でも、それはもうムリな話しなんだよ」
『っゔぅ…!』
そういった桐の瞳は、とても優しいものだった。箕禍の前から紅葉のもとへ戻り、小さくて軽すぎる体をそっと抱き上げ、その場を去ろうとする。
『っ…それはっ!それはソイツが…』
「あ゙あ゙?これ以上俺様に意見すんじゃねぇ。あとで椿をここに寄越す。逃げてもムダだ、"大人しく" 待ってろ」
『ぅ、わぁああっ!』
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