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間に合ってくれ…!

 生徒会室を駆け出し、エレベーターで1階までおりて先ほどの窓から見えた位置まで走って移動する。だがそこに、紅葉はいなかった。

 "あった" のは、紅葉の新しくなった携帯だけ。


「っ…場所変えやがったな…っ」


 相手もただのバカではないらしい、と桐は奥歯を噛み締める。果たしてこんな悔しそうな顔、今まで誰か見たことがあったであろうか。桐は自分の異常な行動にまだ気づかず、頭を回転させた。

 一度ここへ来て場所を変えたということは、見つかるのを覚悟の上、なるべく見つかるまで時間のかかるとこに移動したからだろう。ならば空き教室や体育館付近など、定番の場所はありえない。


(鍵…寮か)


 寮なら鍵も閉まり、親衛隊のどの部屋にいったのか探すだけでも時間がかかる。桐はそう考え、寮の方へ向かって走り出した。それが、親衛隊の誘導であるとも知らずに。


(つか…なんで俺様はアイツのために走ってんだよ)

(意味分かんねぇ…くそ、イライラする…)

(……勝手にヤられたりしてたら、ぜってぇ許さねぇ)



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あきゅろす。
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