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だから、部屋には行かないのだと。そしてたどり着いた先は学園の敷地の隅っこ、校舎とは真逆の場所だった。紅葉が連れ去られて早20分、きっともう探し始めているころだろう。
だが隊長は焦りを見せず、紅葉の頬を容赦なく平手打ちした。
――パシン…!
「っ゙…!ぁ…っ」
乾いた音が鳴り響き、紅葉はその勢いのままズサッと地面に倒れ込む。叩かれた頬はすぐに熱を持ち、ジンジンと痛みを訴えてきた。ジワリ、紅葉の目に涙が浮かぶ。
『長谷川様たちにとりいったあげくランク1位!?ふざけないでよっ、生徒会だとか、僕たちがどれだけ…っ』
『うざいんだよ!さっさと消えればいいものをっ』
(ど、して…っ、どうしてどうして!)
『泣いたってもう許してあげない…僕だって、この身をかけてアンタを追い出すんだから一々泣くな!』
「っ、ふ…っ」
親衛隊の隊長である自分に目が向くのもわかっている。きっと、懲らしめている最中に誰かが来てしまうことも。けれど自分が退学になってでも、このまま紅葉をのさばらせておくのが許せないと、そういっているのだ。
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