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 菖蒲の顔が、絶望と不安、そして恐怖に染まった。これが迷っているだけならまだいい。けれど紅葉はそんなバカな子ではないし、彼が危険な立場にいるのは百も承知だ。

 スマンと謝り続ける先生から離れ、菖蒲は携帯を取り出して紅葉へかけた。1コール、2コール。だが一向に出る気配はなく、菖蒲の顔はさらに青くなっていく。


「紅葉…っ、無事でいて…っ」


 頬を叩かれ、携帯を壊され、もう次は本人しか残っていないではないか。一刻も早く見つけなければ、何をされるか分からない。菖蒲は次の人へ電話をかけながらも、クラスのみんなに探してくれないかと協力を要請した。







――ジャジャンッ!


「っはー快、感…!」

「……気色わりぃこというな…」

「かて、思いっきり弾くんは楽しいやん!」

「まぁ、たまにはいいかもな。この俺様に似合いすぎて困るが」


 はっ、と軽くナルシスト発言をする桐の手にはギター。そして椿の手にはベースが握られている。ここは生徒会室。2人はクラスの発表には参加しないため、生徒会での発表の練習をしていたところだ。



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