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んっしょ、と立ち上がった紅葉はその場で軽く払い、2人におはようの笑みを向けてから小走りで別荘の中へと入っていった。半分寝ぼけていたということは、半分夢の中にいたということ。
恐らく、いつもとは違う場所にいたせいで、そこは夢の中だと勘違いしていたのだろう。
少し恥ずかしくなりながらも紅葉は部屋まで走っていき、着替え途中だった椿にギュッと抱きついた。そして、しばらくして自分も着替え始める。朝から可愛い子に甘えられた椿は上機嫌だ。
「10時っ頃にきっとあと3人来るで」
「部屋ねぇな」
「一葉チャンと三葉チャンは一緒でエエんとちゃう?」
「コイツは」
「…!?」
「んー…また俺と寝よか!」
そうしよ、という椿に紅葉が頷こうとしたが、桐はその前に机を叩いて紅葉の頷きを止めた。2日も続けて椿にとられるなんて、気にくわないし何だか嫌なのだ。
お前は俺とだと命令をしようと口を開いた桐だったが、チャイムの音にそれは邪魔をされてしまった。
時刻、10:12。
10時にはといっておきながら、すでに10時を回っていたようだ。
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