理性と戦うお風呂
そしてしばらく談笑し、椿と紅葉はお風呂に入るため、荷物をとりにいく。桐はもう諦めたようで、つまらなそうにテレビを見ていた。
「あ、俺トイレ寄ってくから先入っててーな」
「(コクン)」
(えへへ、若ちゃんと入るみたいやっ)
ふふっと可愛らしい笑みを浮かべながら、豪快に服を脱いでいく。全裸になり、桐のときはしていたタオルはせずに浴室へ入ると、ガチャッという音がして椿がトイレから出てくる。
もう椿も来るな、なんて考えながら体を流し、紅葉は湯船に浸かった。熱すぎず、真夏の夜にはちょうどいい温度に、顔はほにゃっと破綻する。
「……お、もう入っとるん?ほな先に洗うかな」
「…!っ、っ!」
「んー?どないしたん、先がエエん?」
「(フルフル!)、っ…ぁ…(あ・ら・う)!」
「……あ、背中流してくれるん?やーなんか恥ずかしいわー」
背中を指差してゴシゴシと洗うジェスチャーに、椿はなんだかむず痒い気持ちになった。背中の流しっこなんて小学生のときに父親と入ったお風呂以来だ。それを可愛い紅葉に…。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!