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くりん、と大きな瞳をさらに大きく見開き、紅葉はしばしの停止後、小さく頷いた。この年になって男2人で…などという考えは、どうやら持っていないようだ。
「あ!?んなもん1人で入りやがれ」
「エエやん、桐ん家では一緒に入っとったんやろ?」
「……コイツが勝手についてきただけだ。俺様の家の風呂はデケーし、コイツはチビだしなんの問題もなかったんだよ」
「俺は別に狭くても気にせんけどなー」
「っ…」
【じゃあ、3人で入る?】
携帯を2人に見えるよう押し出し、どう?と笑顔で首を傾げる紅葉。その姿は可愛いが、いかんせんいってる内容がよろしくない。紅葉と2人きりならまだしも、3人で狭いお風呂に…。
「「……おぇ゙ぇ゙」」
「っ!?っ…?、?」
「アカン…アカンてそれは…」
「大浴場ならまだしも…勘弁しろ…」
(むぅ、楽しいと思ったんやけどなっ)
でも狭いししょうがないか、と諦めた紅葉だったが、ここが桐の家ならもう少し粘っただろうその純粋さは、それはそれで凶器である。嫌な想像をしてしまった2人はすっかり精気をなくし、ただ紅葉が食べ終わるのを待った。
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