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(あぅ…痛い…)
「なーに笑ってやがる、あ゙ん?」
――キョロキョロ
「…!」
【かて、仲ええなーって】
「はあ?」
「……あ、関西弁残っとるでー」
「…!っ、(えへへ)」
さっきまで椿とはそれで喋っていたから、抜けなかったんだろう。やっちゃった、という顔をする紅葉の頭を椿はワシャワシャと撫で、どうしてそう思ったのかを聞いてみた。
けど返ってきた返事は、見ててそう思った、それだけ。
(まぁ…悪うないとは思うけど…)
「……お前…俺様たちにはわざと標準語、使ってたのか?」
「?、ぁ…(コク…)」
「バカじゃねぇのか。自分を殺してるようなもんだろうが…」
「あ、そら俺のことかしらー?」
「椿は好んで使ってんだろうが。つか、俺様に聞くな」
でもきっと、紅葉はそうじゃないのだろう。だからこそなぜ標準語で話してくるのかが分からないのだ。関西弁だからと差別する人はいない。なら普通に使えばいいだけのこと。…想像は出来ないが。
とまぁ桐が不満に思ったところで、理由は簡単なのだが。
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