仲良し?仲良し!
――ズルルルッ
「……おい、飛ばすんじゃねぇよ」
「んぁー?ふまんふまん」
「キッタネェな…つか紅葉はどんだけ口ちいせぇんだよ、あれか、チビだからか」
「(む…っ)」
今日の夕飯は冷やし中華。つゆを飛ばしながら豪快に食べる椿に、斜め向かいに座った桐は顔をしかめ、正面にいる紅葉に軽く八つ当たりをしてみる。
紅葉は一口が少なく、小さくちゅるちゅると必死になって食べていたのだ。どうして普通に食べることが出来ないんだと、桐は呆れた。だがチビという言葉に対し、紅葉はツーンとそっぽを向いてみる。
「ぶ…っ、紅葉やて。いつの間にんな仲ようなったんやろなー?」
「っ…せぇ。パーティーでチビって呼ぶわけにもいかねぇだろうが」
「ほな、何で戻さへんの?」
「……俺様の勝手だろ。テメェに関係あんのか?あ゙?」
「クク、いんやー?」
「(……ふふっ)」
「「…んぁ?」」
クスクスと、紅葉が小さく笑っているのに気づいた2人は、何事かとそちらへ視線を向ける。声は出さずに肩を揺らして、眉を垂らす姿は一瞬2人を虜にしたが、桐はハッとして紅葉のおでこをどつく。
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