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「…え、一緒に寝たん…?」

「?、(コク)」

「ホンマか!いやーあの桐がなぁ…」

(そないに凄いことなんかな…でも…へへ、椿先輩も楽しそうでよかった)


 楽しそう、というより桐が知られたくなさそうな秘密を知り、ニヤニヤしているの方が正しいだろう。あの、俺様何様長谷川様な桐の性格は、幼いころから付き合いのある椿はよく知っているつもりでいた。

 食い散らかしたセフレだって、部屋に入れることはせず、どこか適当な場所やその人の部屋で己の快楽だけ求め、処理や余韻なんて浸らずにすぐ別れてしまう。面倒なことが嫌いで、でも自分の思う通りにならないのも嫌いで、一番じゃなきゃ嫌で。

 何人の子が泣かされ、何人の子が理不尽な暴力を受けたか。


(こりゃ、本人気づいとらんだけで本気っちゅーわけか…)


 抱き上げて部屋まで運んだり、一緒に寝たり。紅葉は隠したが、お礼でキスをねだるようなことだって桐はしないのだ。あまりからかっちゃ可哀想かも、なんて思いつつも、桐の反応を見るのが楽しみで椿はククッと喉を鳴らした。


(……ん、ぁ…今の笑い方…やっぱ、椿先輩と若ちゃんは別人や…)

(…あれ…今紅葉チャン、"桐" ゆうてなかったか…?)




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あきゅろす。
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