[携帯モード] [URL送信]

 チッ、とつまらなそうに舌打ちをする桐は、羨ましくないと強情を張る椿に見せびらかすつもりでいたらしい。だが桐と違って椿は思ったことを口にする。それこそ、いわないで、といわれると余計にペラペラと。

 そういえばそんな性格だったと桐はため息をつき、未だジタバタしている紅葉をやっと離した。いきなり拘束がなくなったことで紅葉は椿に倒れ込んでしまうが、それを支えてくれた椿に紅葉は笑顔を返す。


「そういや…他の奴も呼ぶとかいってなかったか?」

「ああ、明日来るでー」

「……明日?」

「今日は俺が紅葉チャン独占すんねん!やから嘘ついて明日ぁゆうといたわ」

「…?」

「んー?紅葉チャンは今日、俺とずーっと一緒にいようなーっちゅー話や」

「っ、(コクッ!)」


 エエよな?と桐に視線を送る椿に、桐は苦々しげに眉を潜めるだけだ。ここでダメだといえばまるで自分は嫉妬しているようだし、かといって椿と一緒にさせるのにも不満がある。

 そんな葛藤を尻目に、紅葉は椿にニコニコと笑顔を見せた。



[*前へ][次へ#]

10/100ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!