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おっ、きたきた。と笑顔を見せる椿に、紅葉はスピードを緩めずアタックをするかのように、腰にギュッと抱きついた。
「おぁ、な、なんや!?」
――グリグリグリ
「…ははーん、寂しかったんやろ。エエでー思う存分抱きしめたる」
(あ、でも…ちょおエロくない?この格好。アカン…紅葉チャンが俺の…ぶふっ!)
紅葉は少し腰を屈め、お腹のあたりに頭を押し付けてきてるのだ。上から見ればそれはもうイヤらしく見え、紅葉が俯いてるのをいいことに、椿はニマニマとヤらしい顔で紅葉の頭を撫でる。
それが桐は気に入らなかったのか、屈んでいたせいで突き出している紅葉の腰に手を回し、椿から引き剥がした。ヤダヤダと手をバタつかせる姿は可愛らしい。
「チッ、暴れんな」
「(やーっ!)」
「はは、エエやんなぁ?ずーっと紅葉チャンと一緒やったんやろ?なぁ、いつから?なーんで俺に教えてくれへんのー?ドレス着せたとかチョー見たかったんに!」
「あ゙?どうでもいいだろーが。んだ、羨ましいのか?」
「そら羨ましいし、おもろそうなもん見れんで残念や」
「……そうかよ」
「くはっ、俺は誰かはんと違うて正直者なんですぅー」
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