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そう、ここはまさに、長谷川家のプライベートビーチ。砂浜を歩くサク、サクという音が離れていても聞こえてくるほど、そこは静かだった。
(っ…きれーいっ!若ちゃ、綺麗だね…っ)
ビーチサンダルをパタパタいわせながら海へ向かって走っていき、打ち寄せる波から逃げて追ってを繰り返す。そんな楽しそうにしている紅葉に桐は声をかけ、ひっそりと佇む別荘へ先に入っていった。
2階に大きなバルコニーのついた、普通の一軒家よりも少し大きいそれ。玄関の右にはなぜか扉があり、そこを開ければお風呂場が顔を見せる。海からあがってすぐ入れるようにと、洗面所と玄関の両方に扉がついているのだ。
紅葉はそこで足を洗い、あの家とは違うフローリングの床を、裸足でペチペチと歩いていく。
「洗面所の奥にトイレ。その奥はここの管理人の部屋だ、間違えて入るバカはすんなよ」
「(コク)」
1階は真ん中で2つに分かれている感じだ。玄関から右には、洗面所にトイレ、お風呂場。そして階段の横にひっそりと管理をしている人の部屋。
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