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 触れるだけだったけど、なんだかそこから熱くなっていくようで。紅葉は口を手で押さえ、顔を真っ赤にしながら車のギリギリまで移動して桐から距離をとった。

 うるる、と潤んだ目は、海のようにキラキラと波打っているようだ。


(き、桐は恥ずかしく、ないんかな…)

――チラ…ッ


「……んだ、もっと深いのでもしてほしいのか? あ?」

「っ、(ブンブン!)」

「ふんっ、俺様だって誰がお前みたいなガキ…」


 障害者、といわないあたり、桐の中で紅葉の存在が大きくなってきているのが分かる。無意識のうちに紅葉と触れた唇を舌で舐めとりながら、早く別荘について、驚く姿が見たいと思うのであった。







 キラキラと太陽の光を反射する波間。ザザンと心地よい音をたてる波打ち際に、白い砂浜。沖縄ほどとはいかないが海は青く澄んでいて、砂浜はゴミ一つ落ちていなく、とても綺麗で幻想的だ。

 さきほどの海のように人は誰一人おらず、外からの侵入を防ぐかのように窪んだ形の地形をしている。



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