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行かないとはいわせない 4
 ほななーと元気よく切れた電話に、桐は自然と笑みを浮かべた。そしてそのまま部屋を出、執事たちにその有無を伝えてまた上へ戻る。だが桐が向かった部屋は自分のではなく、紅葉のいる部屋だ。


――バンッ!

「っ、(ビクゥッ!)」

「おい、俺様の荷物をつめるのを手伝え。どうせ暇してんだろ」

「っ…(え、なに…)っ」

「早くしろ。紅葉も荷物、まとめとけよ」


(えぇ、なんなん…?どっかいくんかな…)


 ドキドキうるさい心臓を押さえながら、わけの分からないまま桐の部屋へ向かう。ポケッと突っ立っていると桐はどこからか旅行用のカバンを取り出し、紅葉にそこに来るようにいった。

 トテ、トテと頭にハテナをいっぱい浮かべながら近づくと、座れと一言命令してくる。紅葉はとりあえず座り、だがやはり理解が出来ずに桐を見上げた。大きな瞳が桐を捉え、少しドキリと反応してしまう。


「み、見てんじゃねぇ。今から渡すもんそれに詰めろ」

「っ…ぁ、(グイッ)」

「っお…!?何しやがるっ」

「(な・ん・で)?」

「ああ?何いってっか分かんねーよ」

「っ…ふ…」



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