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どうやら喜びを噛み締めているうちに終わってしまったらしい。目の前でキョトンと首を傾げる紅葉の勇姿を見逃してしまい、若葉は悔しそうに首部を垂れた。
だがクヨクヨなんてしていられない。顔をあげた若葉は紅葉をヒョイッと抱き上げ、先生に挨拶をして家に帰ることにした。もちろん、門の前で2人の写真を撮ることも忘れずに。
「今日は卒業祝いや、寿司でもとろか!」
「おすし、かあいのいやーっ」
「大丈夫や、サビ抜きにしたるさかい。何がエエ?」
「ぼくねっ、たまごといくらとまぐろさん、すきやっ」
「よっしゃ、ようけ入れてもらおーなっ」
ついでに、こんなにめでたいことはないからビールも買ってっちゃおう。2人はコンビニにより、お菓子とお酒も買って家に戻った。夕飯は本当に2人だけなのかというくらい盛り上がり、お酒の進んだ若葉は久しぶりに、顔を真っ赤にするくらい飲んでしまったようだ。
「あー…アカン、エエ気分やぁ…」
「わかちゃん、それ、おいし?」
「んー?……あ、紅葉はアカンで。まだ早いわ」
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