[携帯モード] [URL送信]
成長に感動
「『おとうさん、おかあさん、ありがとうっ』」

『しょーがっこーににゅうがくしても』

「ぼくたち、」

『わたしたちを』

「『おねがいしますっ』」

「っ……くぅ…!」


 小さなステージの上に並んだ紅葉たち。おめかしをして我が子を見守る保護者たち。その手にはハンカチが握られていて、ときおり目元を拭く姿が目撃される。

 ……そう、幼稚園卒園式だ。


 この3年で一段と立派になった我が子に涙し、小学校への思いをはせる親。それは若葉も例外ではなく、みんなに混ざって歌をうたったりする紅葉に涙を流していた。


(こないに大きくなりよって…もう小学生かいな…っ)


 あのときは喋ることも、ましてや一人で座ることも出来なかったあの紅葉が。今はこうして楽しそうに歌をうたっているではないか。しかも4月からはピッチピチの一年生。

 まだ子供なのに、でも着実に少しずつ成長している紅葉に、感無量なようだ。


「……ちゃ、わかちゃん?」

「っ…え、紅葉?どないしたん」

「わかちゃ、おわったよ?」

「ぁ……え゙、嘘やろっ!?」

「んぅ?」




[*前へ][次へ#]

42/100ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!