4
「わかちゃん、あーんですよ」
「お、あー…ん」
「おいし?」
「美味いわー紅葉に食わせてもろたん、メチャうまや!」
「えへへへ、わかちゃ、だいすきっ」
(やっぱこん子がごっつぅ育つなんて嫌やー!)
どうやら葛藤はつきない若葉らしい。そのまま2人でお弁当を完食し、午後のためにたっぷり体を休めた。そして午後の競技が始まる。親子で芋虫リレーだ。
ダンボールの中に親子で入り、ハイハイをしながら進んでいくという、いかにも園児らしい競技。若葉と紅葉は手を繋いで列に並んだ。心なしかそこだけ隙間があいているが。
「ケガだけはないようにせんとなぁ…」
「なぁ…っ」
「紅葉、イチニ、イチニやで?」
「ん、いっに、いっにっ」
ハイハイのタイミングを合わせるために、声で練習する2人。そのうちすぐに順番が回ってきて、前の人が出たダンボールに2人で入り込んだ。そして先ほどのかけ声とともにスタートする。
「イチニ、イチニー…ッ、ええでーイチニッ」
「う、ぁっ…ふわっ!」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!